東電ユークエスト株式会社 冨岡 理
去る11月に、JASA会員企業で常日頃組込み技術に携わっている若手技術者たちに集まってもらい、座談会形式でざっくばらんに語り合ってもらう企画を実施しました。
私がコーディネーターを務めたのですが、大変興味深い体験だったため、経緯と背景、現場の様子などを記してみたいと思います。
座談会の内容はJASA機関誌『Bulletin JASA』に掲載しています。以下文中にリンクも掲載しますので、併せてご覧ください。![]()
私たちJASA広報委員会 ホームページWGでは、HPを窓口にJASAの活動を広く知ってもらうことを目的として活動しています。
HPコンテンツで力を入れていきたいのが本欄のようなコラム欄で、組込みの現場で働く人たちが日ごろ何を考えているのか、といった観点から、気楽に読めるコーナーを設けています。
この『組込みNOW』の企画の番外編として、「組込み『Future』はどうか」といった意見がホームページWGで出たのは、かれこれ1年近く前のことになります。
もともとは、WGメンバーが、「最近の若手技術者は組込み業界で働くことをどう考えているのだろうか」という好奇心をもったことから始まり、若手の意見や将来展望はまさしく『組込みFuture』だよね、というところから一気に企画化されました。
9月発行のBulletin JASA Vol.35でアンケート結果を記事にした(記事はこちら)のに続き、11月にはいよいよメインの座談会開催。
流れからコーディネーターに祭り上げられてしまった私は、まだ見ぬ座談会出席者面々の人となりを、アンケートや事前にいただいたプロファイルシートから想像し、不安と期待に胸ふくらませて会場に向かいました。たくさんシミュレーションしましたが、結局フタを開けないと分からないので、最後は開き直りです。
座談会の様子は、Bulletin JASA編集陣がうまくまとめてくれ、2011年1月に発行されたVol.37に掲載されたので、こちらをご覧ください。
まず最初はこちらも手探りです。自己紹介をしていただきながら、プロファイルシートを片手に現在の仕事と立場についてそれぞれのキャラクターを明らかにしていきます。20代〜30代の技術者で、転職組はあまりいないようです。年齢的に、大小それぞれのプロジェクトをマネージメントするかどうか、くらいの立場の方が多いようですが、課長や部長といった、ラインのトップまではいません。
実は集まったメンバー企業の中には、ライバル会社や協業している会社なども含まれていました。あまり具体的な業務内容には突っ込めないという制約もあり、こころなしか警戒感や手探り感が充満する中、いよいよフリートーク開始です。
最初は場をあっためないといけません。対立軸を探ってみると、「製品開発をしている人」「顧客対応をしている人」に分かれるようです。
このあたりから行ってみましょうか・・・・
■受託開発と製品開発
“隣の芝生は青く見える”ものなのか?へ >>>
・・・おお、ところどころ発言を促す作業はしてみたものの、皆さん想定よりはるかに活発に話していただく方ばかりです。各社エース級を投入してきたらしきことが分かってきました。
これは楽かもしれん。
続いてアンケート結果から、微妙なニュアンスの違いがありながらも総論では一致していた、「オフショア開発への対抗」の話をしてみましょう。私たち組込み業界は、多かれ少なかれ組込み製品/システムを開発している日本メーカーを顧客としています。私たち自身がオフショア開発を利用することもあり得るのですが、基本的には競合になることが多いのです。
■オフショアと日本
日本にオフショアに対抗できる技術的な優位性はあるのか?へ >>>
ちょっと意地悪ですが、顧客企業が開発拠点を海外に設けて現地調達をする場合に、われわれはついていけるのかというところも突っ込んでみました。
製品販売と受託開発での意識の違いはここでもありましたが、みなさん、顧客企業とのコミュニケーションには大きな自信をもっていて、まことに頼もしい。いや、本当に。
次にアンケートからもう一つ。
Q「組込みの仕事は好きですか」
A「好きです」
コールアンドレスポンス。見事に回答が一致しています・・・
■組込みという仕事
組込み技術者としての魅力とは?へ >>>
記事ではシンプルにまとまっていますが、みなさん語ってましたね。物理の勉強をし直したとか(それも楽しそうに)、お客さんのところの新しい技術とか。「オフレコで」なんていう話もここで出てました。本当はもっと話したかったのだろうと感じました。
次はちょっと夢を語ってみましょう。10年後、組込み技術が貢献するのはどんな分野でしょうか。
このあたりは常日頃からも考えているのでしょう。飲み会の席の話題にもなるのかもしれませんね。面白い意見が続出です。
■組込み技術の未来
10年後、組込み技術が貢献する分野は?へ >>>
そして、いよいよ「10年後」。われわれ組込み業界の各企業が、日本のメーカーを主たる顧客にしている以上、日本のメーカーに頑張ってもらわないと・・・というのが実情なのですが、それを打開するような意見はあるのか。
オフショア開発への対抗策もそうだったのですが、「従来の顧客頼み以外に、われわれから発信できることはなにかありませんか?」というのが本当に聞きたかったところです。
■組込み技術の未来
JASA会員企業にイノベーションは起こせるか?へ >>>
最後に、10年後の自分を思い描いてもらいました。
■10年後の自分
10年後どのような技術者になっていますか?へ >>>
みなさんどうだったでしょうか。マネージャークラスということもあり、勢いのある意見は少なかった半面、地に足のついた考え方をするメンバーが多かったように感じました。
頼もしい一方で、従来の殻を破る考え方や行動がもう少し欲しいというのも実感です。
参加していただいたメンバーから、事後の感想ももらいましたので、こちらを紹介して本稿の締めとしたいと思います。(それぞれのメモをクリックすると、全文が表示されます)
すでに次回の企画が進行中です。さらに若い(20代限定)世代はどうなのか。
別世代なのか同世代的な考え方をするのか。
読者のみなさんもお楽しみに。
