JASA北陸支部『先進企業視察』フィリピン 富士通グループ各社 訪問

北陸支部報告

北陸支部 土谷秀靖

10月30日(金)にフィリピンにある富士通グループ各社へ企業訪問に行きましたので報告いたします。参加はJASA会員企業6社6名、非会員企業1社1名でした。FUJITSU PHILIPPINES,INC. FUJITSU TEN SOLUTIONS PHILIPPINES,INC. FUJITSU DIE-TECH CORPORATIONN OF THE PHILIPPINES の3社を訪問して参りました。

午前8時30分、日本の初夏を思わせる少々蒸し暑い気候の中、我々7名はマニラのマカティにあります FUJITSU PHILIPPINES,INC. に到着いたしました。早速中に入りますとそこの受付は素敵な飾り付けがしてありました。日本ではちょっと考えられないオープンな雰囲気にまずはびっくりしました。当日はハロウィンだからと後で教えていただき納得いたしました。
会議室に通して頂き、まずはフィリピン人の特長やお国柄などを聞かせていただきました。

フィリピン人の平均年齢は23才で、今後も長期間人口ボーナスが期待できるという事でフィリピンへ進出する企業がここ3年は毎年100社を超えていると伺い日本では余り感じられない活気が伝わってきました。またフィリピン人の特長(親日家が多い、性格がおだやか、英語が話せる、カトリックが多い、いい加減、転職率が高い)や、フィリピン事情(ワーカーの初任給が9000ペソ(25000円)、初任給、労働人口(4000万人)のうち1/4が海外に出稼ぎに行っている、財閥が巨大な力を持っている、政府にお金が無いためインフラ整備も財閥などに頼っている部分が多く政治と経済が一体化している)など大変興味深いお話を聞かせていただきました。

次にFUJITSU PHILIPPINES,INC.の会社概要を聞かせていただきました。

会社名  FUJITSU PHILIPPINES,INC.(略称:FPI)
事業内容 IT インフラストラクチャーサービス
システムインテグレーション
マネジメントサービス
バックオフィス シェアードサービス(オフショア)
アプリケーション開発/ポートフォリオメンテナンス(オフショア)
設立年月 1975年
売上高  75億円(内海外15億)
従業員数  1,200名(子会社含む)
フィリピン事業所 マカティ(本部)、ボニファシオ、グローバルシティ、セブ島、イロイロ州、ダバオ
海外事業所 東京、ロサンゼルス、ロンドン

例えば工場・事務所の拡張や新設時におけるIT設備インフラの設計・施工その後の保守メンテナンスまでをワンストップで一連のITソリューソンサービスを提供されています。
富士通本社も「アジア・中国のインフラ市場に日本のソリューソンを売り込む」と力を入れているそうでFPI様の今後ますますの躍進が期待できそうに感じました。
帰り際に事務所も見せていただきました。事務所もハロウィンの飾り付けがしてありました。なんでも部署対抗で飾り付け競争を行っており、勝者には会社から金一封がでるそうです。

他にも会社が企画するクリスマスパーティーや誕生パーティなどアットホームなイベントを行う事が一般的だそうでここでも日本との違いを感じました。

最後にFUJITSU PHILIPPINES,INC.の皆さんと一緒に記念写真を撮りました。

車に乗り込みマニラのパサイにあるFUJITSU TEN SOLUTIONS PHILIPPINES,INC.へ、しかし既にマニラ市内はひどい渋滞になっており5km程度の移動に40分超も要しました。ただこの渋滞も想定内だったようですが余りにも生産性が悪いと感じました。
FUJITSU TEN SOLUTIONS PHILIPPINES,INCの会社概要は下記の通りです。
会社名  FUJITSU SOLUTIONS PHILIPPINES,INC.(略称:FTSP)
事業内容 車載用電子機器のソフトハード設計・評価
設立年月 1999年8月
売上高  16億円
従業員数  440名(日本人出向者11名含む)
株主  富士通テン80%  FTCP20%
開発業務が中心で人材が命のお会社です。それゆえ経営課題も人材にまつわるものが多く、外国人と仕事をする難しさを改めて感じました。

昼食後一路、首都マニラ中心地から南へ45kmラグナテクノパークにあるFUJITSU DIE-TECH CORPORATIONN OF THE PHILIPPINES へ移動しました。FUJITSU DIE-TECH CORPORATIONN OF THE PHILIPPINES の会社概要は下記の通りです。
会社名  FUJITSU DIE-TECH CORPORATIONN OF THE PHILIPPINES
(略称:FDTP)
事業内容 金融端末コンポーネントの製造
設立年月 1996年6月24日
売上高  160,000千ドル
車の金型の製造からビジネスがスタート、現在はいわゆるATM(金融端末コンポーネント)の製造をメインとされています。部品加工にノウハウがあり海外勢にはマネができないとご説明いただき、あらためて日本のモノづくりのレベルの高さを感じました。新工場も増設され事業拡大に積極的に取り組まれていました。

今回は富士通グループさんに全面的にご協力いただき大変有意義なフィリピン研修となりました。「日本の常識は世界の非常識」と海外展開の多重の難しさを改めて認識することができました。