第1回 『国際化推進ワークショップ』開催報告

セミナー・イベント

第1回 『国際化推進ワークショップ』開催報告

『 オフショア・ソフトウェア開発の展望
~委託側と受託側の相互理解を深めるために~ 』

国際化推進ワークショップは、JASA国際委員会が主催する初のオープンワークショップです。
オフショア・ソフトウェア開発では、委託側と受託側で強い信頼関係とパートナーシップが必要ですし、さらに開発全体のプロセス管理についての深い相互理解も不可欠です。
そこで、委託側のリスクに関する経験知の表出化を中心に、今後のオフショア・ソフトウェア開発を展望すべく、本ワークショップを企画いたしました。

講師には、経営情報システムをご専門とし、オフショア・ソフトウェア開発に造詣の深い大阪府立大学の辻洋教授をお招きしました。

さらに、オフショア・ソフトウェア開発で実績を挙げておられる事例や、広くグローバルビジネスを展開されておられる事例として、東信電気株式会社様、東洋電機株式会社様、株式会社ブライセン様に発表をお願いしています。
講演の後には交流会を予定していますので、講師の方々との意見交換なども行って、議論を深めたいと思います。

オフショア・ソフトウェア開発などに従事されている皆さん、今後に向けて関心をお持ちの皆さんにはまたとない貴重な機会になると思いますので、お見逃しないようにご利用ください。

■開催要項
日  時 : 2011年2月10日(木)15:00~19:00

・ワークショップ 15:00~17:20
・交流会     17:30~19:00

会  場 : 東実年金会館4階会議室
東京都中央区日本橋浜町1-8-12
主  催 : (社)組込みシステム技術協会 東京支部、国際委員会

プログラム :
15:00 開会挨拶 国際委員会 委員長 河井 研介 氏
15:10 基調講演 辻 洋 氏(大阪府立大学大学院工学研究科 教授)
「オフショア・ソフトウェア開発の進化・深化・親化を目指して」
16:15 事例紹介1 東信電気株式会社 EMS営業部 部長 天野 武正 氏
16:35 事例紹介2 株式会社ブライセン 代表取締役社長 藤木 優 氏
16:55 事例紹介3 東洋電機株式会社 代表取締役社長 松尾 康男 氏
17:15 閉会挨拶 東京支部 支部長 大橋 憲司 氏

交流会費 : JASA会員/一般 1,000円(税込)
※当日受付にてお支払いください。領収書を用意いたします。

お申込み方法 : 下記必要事項をご記入のうえ、E-mailにてお申込みください。
・ 件名に「国際化推進ワークショップ参加希望」と明記
・ 参加者氏名
・ 会社名、所属、電話番号、E-mailアドレス

 お申込・お問合せ先
( 社)組込みシステム技術協会 国際化推進WS担当
TEL:03-5821-7973 FAX:03-5821-0444 E-mailでのお問合せ

講演概要および講師紹介

■基調講演■

『オフショア・ソフトウェア開発の進化・深化・親化を目指して』

<講演概要>
高度情報化社会は、ソフトウェア開発・保守の持続ある体制を要求している。コスト削減、技術者の確保などからオフショアソフトウェア開発は避けて通れない。これまで、多分に実験的・挑戦的な試みとして開始されてきたが、委託側・受託側の信頼関係・パートナシップに加え、開発全体のプロセス管理に対する相互理解が必要である。そこで、委託側のリスクに関する経験知の表出化を中心に、今後のオフショア開発を展望する。

<プロフィール>
辻 洋  http://www.cs.osakafu-u.ac.jp/mis/index.html
大阪府立大学 工学研究科 教授

2002年より大阪府立大学工学研究科電気・情報系教授、現在、同大学学術情報センター情報システム部長兼務、博士(工学)、技術士(情報工学)、特種情報処理技術者、1978年~2002年(株)日立製作所、システム開発研究所にて情報技術の研究開発に従事、1987年~88年カーネギメロン大学客員研究員、1995年~2001年スタンフォード日本センタ客員研究員。IEEE,ACMなどの会員。産学戦略的研究フォーラムにて、ソフトウェア・オフショア・アウトソーシングに関する調査研究の主査。http://www.cs.osakafu-u.ac.jp/mis/offshore/


■事例紹介(1)

東信電気株式会社 http://www.toshin-et.co.jp/

『海外生産展開』

<講演概要>
当社がなぜ中国へ進出したのか?1989年香港東信を設立し、その後6年間の低迷期を乗り切り、1995年日本語ワープロの量産受注に伴い、恵州市日系企業への生産委託から軌道に乗り始めた苦労とローカル企業との付き合い、その後2001年深セン市での自社工場立ち上げ、地元政府とのやり取り等、海外事業20年のノウハウを報告する。

<プロフィール>
天野 武正
東信電気株式会社 EMS営業部 部長

1985年入社、生産技術を担当し、1989年香港東信立ち上げに携わり、1994年から香港駐在、恵州市への日系企業への生産指導から深セン市での自社工場立ち上げをし、その工場の総経理として
2004年まで中国駐在、現在はEMS事業(海外・国内も含め)の営業部長を担当。


■事例紹介(2)株式会社ブライセン http://www.brycen.co.jp/

『ブライセン流海外事業『当社海外事業の歴史』

<講演概要>
具体的に国際事業を始めたのは2000年であり、10年間の間にアメリカ(ケースツール代理店、ブルーツース代理店から自社プロダクト)、ソ連製(RDBMS Linter代理店から自社プロダクトへ) 韓国ブライセン(http://www.brycen.co.kr/)設立、ブライセンベトナム支社設立までの間のビジネスの経験を伝える。現在LinterはKDDIのプラットホームになっており、またNTTドコモの標準採用まで達成。ベトナム支社には6名のエンジニアを抱えている。

<プロフィール>
藤木 優
株式会社ブライセン 代表取締役社長

1983年キャドック入社。CAD関係のソフトを設計しながら、初めてRDBMSのDEC社製RDBの技術習得。1987年ブライセン入社。電力関係のソフトの設計製造に従事。また、ORACLEの大規模システムの設計製造にも従事。1998年ブライセン社長就任。2000年より海外事業に進出。2003年RDBMSLinterと出会う。


■ 事例紹介(3) 東洋電機株式会社 http://www.toyo-elec.co.jp/
(兼 南京華洋電気有限公司 http://www.njhy-elec.cn/

当社企業グループの海外市場展開『現地合弁企業の機能を活用した海外市場展開』

<講演概要>
・ 当社の中国進出の契機は、江蘇省からの技術研修生の受入れに始まる。
・ 1980年代に、25%の出資比率にて資本参加。
・ 2004年に、当社グループの中国現地生産の開始とともに、従来の会社を再編成し、新会社に出資。
・ 新会社は、当社出資比率82%で、残りは旧会社の中方経営陣と南京市のホールディング会社が出資。
・ 盤事業から、その後電子事業を立ち上げ、進料加工形態から、現地生産現地販売(OUT-OUT体制)を加える。

<プロフィール>
松尾 康男
東洋電機株式会社(兼 南京華洋電気有限公司) 代表取締役社長(兼 董事長)

昭和26年生(59才)、名古屋市出身、昭和49年慶應大卒。同年商工中金入庫後、ニューヨーク駐在、津支店長、静岡支店長、国際部長等を歴任。平成18年55才時に商工中金退社、同年東洋電機(株)入社、社長付、内部監査室長、総合企画部長。取締役、常務取締役をへて、平成20年南京華洋電気有限公司董事長、および東洋電機(株)代表取締役に就任、現在に至る。