Bulletin JASA

JASA 国際だより
ミャンマー視察記

 

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一般社団法人J-TEA
大津 健二

 JASA国際委員会の派遣でミャンマーのヤンゴンを視察訪問しました。廣田国際委員長と私(大津)の3泊3 日の駆け足視察旅行でした。目的はミャンマーでのオフショア開発の可能性を調べ、会員の皆様へ最新情報の提供をする事と、ET2013併催セミナー「グローバルフォーラム」(JASA国際委員会主催)の適切な講演者発掘のためです。

先ず実感した事・・・ヤンゴン空港到着からホテル宿泊まで

8月2 2日成田からバンコク乗継で約9時間、ヤンゴンの空港に到着しました。まだまだ遠い国の印象です。(10月からは毎日ANA直行便が運行され、便利になるそうですが)
到着直後、空港ロビーで突然停電に遭遇しました。といっても周囲は誰も騒がず慌てず、入国審査も暗い中黙々と続けられています。これが日本の成田空港ならどうなるだろう、停電は慣れっこの国と言う事が良く分かり、最初のカルチャーショックでした。
空港からホテルまでの夜道の車での移動はそんなに渋滞もなく1時間近くで着きましたが、雨季のせいか外はずっと土砂降りの雨で、道路はあちこち水が溜まっています。ただ運転はどの車も意外に大人しく日本と変らず、中国などで良くある我先の荒い運転は見かけません。ただ、ホロで囲った小型トラックの荷台の中を良く見ると、10人近くが詰め込みで乗っており、びっくりです。荷台乗車禁止なんて道路交通法はないのかな。走っている車はトヨタ車をはじめ日本の車ばかりで、日本よりも日本車が多い様子です。
中古車が中心で、10年以上の年代物が多く、バスは日本の「神奈中バス」の塗装そのままの中古車を見かけました。一方トヨタのランドクルーザーやレクサスなどの超高級新車も見かけます。やはり金持ち特権階級の人もいるようです。
ホテルの中だけは別世界、日本食レストランもあり、何一つ不便はありませんが、外国人が泊るホテルが不足で、特別高級でなくても料金は1泊3万円くらいします。日本のNHK海外向け衛星放送テレビも見ることができましたが、何回か映像中断、中国のように政府が規制しているのでなく、インフラそのものの問題のようです。Wi-Fiが使えて、インターネットは出来ましたが、電話の国際ローミングはauでは出来ませんでした。(softbankは出来たそうです)
次の日の朝、また短い停電が2回ほどありました。ホテルの自家発電ですぐ回復しましたが、短時間ですがエレベータが止まり、閉じ込められた日本人の慌てた話を聞きました。

進出している日本企業訪問

次の日からヤンゴンで1 0 0%子会社を設立してビジネスを始めている、下記の日本企業3社を訪問し状況を見聞しました。
■株式会社ラバーソウル
http://www .rubbersoul.co.jp/index.html)2012年5 月設立
■株式会社サイバーミッションズ
http://www .cybermissions.co.jp/ )2012年5 月設立
■株式会社ミライト情報システム
http://www .miraitsystems.jp/ )2013年4月設立
どの会社もまだ小さな規模であり、これから順次拡大の方向です。
前日からの大雨は止む気配もなく、車から事務所の軒先までの僅かの距離でもびしょ濡れです。訪問先でもまた停電に遭い(写真1、2)、事務所には自家発電(写真3)は必須の設備のようです。
訪問先で見た事聞いた事を列挙します。
*どこも従業員は若い女性ばかり、日系企業に限った事でなく、IT関連企業に勤務する人の8割は女性との事。男性は、海外への出稼ぎや船員、実家で農業がほとんどで、道端で実質ブローカーの仕事をやっている人も多いとの事。
*ミャンマーの国民平均年齢は26歳。老人大国日本と大違い。この事だけでも、将来発展が期待できる国であることが理解できる。
*大卒賃金(IT関連)は日本円で15,000円/ 月位が最高クラス。日本企業はこれ位で雇うが現地企業はもっと安い。日本企業が採用募集すると、すぐ100人くらい応募があり選ぶのが大変。尚、工場労働者や小売りの店員の最低賃金は6,000円/月~程度との事。
*現地法人を設立するには役所への申請が必要だが、今回我々を案内してもらった会社など、ヤンゴンの役所の状況などを熟知した会社の支援を受けないと、単独では難しそう。また申請から認可(営業許可)まで現状早くて7ヶ月はかかるようだ。
*ミャンマーの人は親日的。従業員も単に高給だけを求めるのでなく、グループ意識が高く、会社が大切に扱ってくれたと感ずれば、長く勤めようとする傾向がある。
*日本人が駐在する時、一番困るのは住居。どこも真面なトイレもなく改造が必要で、現地物価のわりに、住居費はかなり高くつく。日本人が満足できる住まいは平米1,500円以上になってしまう。
*日本への送金は事実上困難で、現地でのビジネス展開は難しく、コストセンターとしてしか現実的には考えられない。

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ヤンゴンソフトパーク訪問

ダウンタウンから車で30~40分の所に、ソフトウェア開発の会社を集めたソフトパーク(写真4)がありました。といっても中国などに見られるような大規模なものと違い、こじんまりとしたパークで、まだ発展途上です。日本企業としてはNT Tデータがあり、現在拡張工事中でした。他には日本企業は見当たりませんでした。交通手段は車しかなく、大きな企業は従業員用のバスを仕立てるが、中小企業は難しくこれが現状企業誘致の難点となっているようです。

日本語学校訪問

10年以上も前から、ヤンゴンに住み着いている日本人女性の経営する日本語学校です。この経営者(校長)から、興味ある話を聞きました。
*ヤンゴン大学などの学生は、単に大学で勉強するだけでなく、就職のため何か資格を取ろうと、専門学校に通うのが大部分。その中に、日本語の資格がある。早い人は半年位で検定2級をとる人もいる。日本語とミャンマー語は文法が似ており、相性がよい。
*ヤンゴンには娯楽が少なく、若者の遊びも少ない。従って暇をつぶすためにも勉強するのが一番のようで、結果的に皆大変勤勉と言える。

JASA グローバルフォーラム(GF2013)講演者探し

今回の案内役としてお世話になった、グローバルイノベーションコンサルティング社長の岩永氏の紹介で、元MyanmarComputer Industry協会役員(現Myanmar ICT DevelopmentCorporation Ltd. 副社長)のAUNG ZAW MYINT氏に面会する事が出来ました。(写真6) 昼食を取りながら色々お話した中で、廣田委員長も私もこの方に是非お願いしたいと思い、その場で招聘を要請し、これを快く受けて頂く事が出来ました。今回の訪問の重要な目的を達成できました。

その他、色々見た事、聞いた事、現地事情

*中国と比較すると、筆談が出来ないかわりに英語が意外に通じます。飲食店やみやげ物店、タクシーなど、簡単な英語は通じる事が多いです。
*とにかく物価が安い。日本人も違和感ない現地の高級レストランでも、夕食で日本円1,000円もあればお釣りもあり、それで結構おいしいです。
*クレジットカード、日本円などホテル以外は殆ど使えません。ただドルさえ準備すれば日本人が行く所は大体使えます。
*タクシーはメーターがない。料金は都度交渉で決まるので、現地事情の分からない日本人には、ちょっと困ります。
*道端を裸足で歩く僧侶を良く見かけます。すべてお布施で生活、食事も一般住民から与えられる。その代わり?結婚できない酒も飲めないなど制約の多い生活だそうです。
*ヤンゴンにもいくつもあるパゴタですが、総金張りの壮大な建物に圧倒されます。流石に仏教国で、世界遺産申請をしているそうですが、そうなれば観光客で溢れるでしょう。
*政府の麻薬撲滅運動で麻薬栽培から日本の蕎麦栽培に切替え、そこで作った蕎麦焼酎を日本人向けに販売しています。お土産に買いましたが、値段の割に評判は上々です。

まとめ

軍事独裁政治が終わり、物価賃金の安さ、親日的国民性など、これからの海外進出に期待が持てる国である事は間違いないが、政府の規制やインフラの未発達など、今すぐの進出にはまだ課題が多いと思われます。とはいえ、今後急速な規制緩和やインフラ整備が進む模様で、困難があってもそれを克服し、今のうちに先手を打って拠点を作り、優秀な人材を先ず確保して、これからの発展を期すという考え方もありそうです。


予 告 第4回国際化推進ワークショップ開催のご案内

■ 日 時 : 2014年2月28日(金)15:00~19:00
■ 会 場 : 東実年金会館4階会議室(東京・日本橋浜町)
■ 参加費 : 2,000円

JASA国際委員会では、グローバル化をテーマにワークショップ開催を予定しております。 テーマにつきましては、グローバルフォーラムのアンケート結果等を参考に企画していく予定です。
テーマに添った講演者を招聘し、講演のあとは講演者と参加者との交流会にて更なる情報交換が可能です。海外に進出されている企業、これから海外進出を検討されている企業の皆様、この機会をご利用ください。
※詳細は決まり次第(1月中旬頃)、JASA ホームページに掲載します。

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