第3回 「JASA国際化推進ワークショップ2013」開催報告

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■第3回 「JASA国際化推進ワークショップ2013」開催報告

『グローバルビジネスの展望 ~グローバル人材の活用と育成~ 』

JASA国際委員会では、2月22日(金)14:00~19:00 東実年金会館4階会議室にて、第3回国際化推進ワークショップを開催しました。
『グローバルビジネスの展望 ~グローバル人材の活用と育成~ 』をテーマに、約60名の方にご参加いただき、盛況に行われました。
以下、講演者とその内容について簡単にご紹介します。

会場の様子

~開会挨拶~

TDIプロダクトソリューション(株)
代表取締役社長 廣田 豊 氏(JASA国際委員会 委員長

グローバルビジネスを展開する上で、グローバルに活躍できる人材が必要不可欠であることから、今回のワークショップでは ~グローバル人材の活用と育成~ をテーマとさせて頂きました。
基調講演では、ビジネス現場にて求められるグローバル人材についてご紹介いただき、事例紹介では、「ミャンマー」、「ベトナム」、「インド」に精通する企業様より、事例・ノウハウなどをご紹介いただきます。とご挨拶がありました。

~基調講演~

「グローバル・ビジネスマンをどう育成するか ―ある外資系・元社長からの提言」
グローバル・エグゼクティブ・コンサルティング
代表 根塚 眞太郎 氏

日本のビジネスにとってグローバル化は必須であり、しかし、ビジネスの世界で「人材のグローバル化」が極めて不十分だと、ご自身のアメリカでの実経験のお話なども交えながら詳しくご説明いただきました。必要な人材は、「日本のみで仕事ができる」でも「英語屋」でもなく、どのような国の人たちとでも「グローバルに仕事ができる、グローバル・コミュニケーション能力を持つ」人材であり、プレゼンテーション能力、交渉技術、異文化や価値観差の理解能力の重要性を実例を交えてご説明いただきました。また、グローバル人材に育成方法について、様々なアドバイスや貴重なお話をいただきました。

~事例紹介 - ミャンマーアワー - ~

1.「グローバル人材の育成「日本人からみたミャンマー」」

グローバルイノベーションコンサルティング(株)
代表取締役社長 岩永 智之 氏

ITにおけるミャンマー進出のポイントとアドバンテージとして、日本語能力の高さ(ミャンマー語と文法が似ていて習得が早い)や、日本人にあった文化性・国民性(非常に良い対日感情)が挙げられるとのことでした。また、ミャンマーでは英語がネイティブレベルで、英語対応パッケージ開発におけるオフショア開発は非常に向いているそうです。ミャンマーだけでなく、中国やアジア各国の特徴やビジネスの可能性に関してもご説明いただき、各企業の業種/目的/特色/持ち味に合わせて、進出国を検討すべきであると述べられました。

2.「グローバル人材の育成「ミャンマー人からみた日本」」

グローバルイノベーションコンサルティング(株)
エンタープライズ事業部 マネージャー Kaung Myat Tun 氏

ミャンマー人からみた日本ということで、ご自身の意見やミャンマー人の同僚の方々から収集したお話などをご紹介いただきました。日本は技術が高くて、品質が良い、価値の高い物を生産する国という好印象を持っていただけているそうで、技術などの習得への意気込みを語っていただきました。ただ、日本の曖昧なコミュニケーション文化や外国人人材への抵抗などは大きな課題で、外国の人材を活用したグローバルな環境作りを日本企業へ期待し、Win-Winの関係を築いていきたいと語られました。

~事例紹介 - ベトナムアワー - ~

3.「外国人技術者の育成とグローバルビジネスの展開
~ベトナム国立大学のインターンシップと受託研究~」

国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系
特任教授 Duy-Dinh Le 氏

ベトナムの既存の有名大学を統合し創立された、総合的な高水準教育と研究所を誇るハノイ国立大学やホーチミン国立大学のご紹介をしていただきました。ホーチミン国立大学では、現在約5万人の学生が在籍しているそうで、IT学位取得に向けた教育カリキュラムも豊富で、大学院の講義は英語で実施されているとのことでした。また、日本の大学との共同研究や、日本企業へのインターンシップ事例を元に、優秀な人材確保の優位性を述べられました。また、学生の興味を引くためのイベントなど、日本企業と学生との関係構築のための取り組みなどをご紹介いただきました。

4.「外国人技術者の育成とグローバルビジネスの展開
~ベトナム籍エンジニアの受入事例と課題について~」

(株)アストミルコープ
代表取締役 武田 悠貴彦 氏

ベトナムでの開発において、失敗してしまった企業の主な原因を2つの事例を元にご紹介いただきました。1件目は、現地要員をワーカー的扱いしてしまい、人材の能力・思考を見極めたマネジメントができなかったことによる失敗。2件目は、即戦力を求めてヘッドハンティングで現地人材確保したが、かえって組織運営において仇となってしまった失敗。また、ベトナム籍エンジニアの受入実例などから、現地語が使える幹部候補人材の育成・確保におけるポイントなどをご説明いただきました。

~事例紹介 - インドアワー - ~

5.「インドにおける技術研修の価値」

(株)ソフトブリッジ グローバルスタディーズ
常務取締役 吉田 賢一 氏

日本国内はIT市場が飽和状態であるのに対して、インドの発展の機会は2015年~2050年の35年間と、まだまだこれからで将来性があるというお話を、統計データなどを元にお話いただきました。また、インドは毎年60万人以上の理工系人材を輩出しており、優秀なIT人材が豊富。そんなインドIT企業へのインターンシップ、インド派遣型技術研修では、英語力だけでなくプレゼン力などの向上等にも大変効果があり価値があるというお話を、事例を元にご紹介いただきました。

~交流会~

交流会の様子

ワークショップ終了後、講演者と聴講参加者の方々が集まって交流会が行われました。講演者の方々との講演に関する質疑応答や、参加者同士での海外情報に関する意見交換など、身近に情報を交換できる大変良い機会となりました。
会員ばかりでなく海外での事業展開を検討されている企業におかれましては、どうぞ、こうしたJASAの取組みをご活用いただければ幸いに存じます。