Bulletin JASA

第3回「JASAグローバルフォーラム2012」
~必見!アジアのニーズは何か?~
開催報告

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キャッツ株式会社 大津 健二

JASA国際委員会では、11月に開催されたET2012(EmbeddedTechnology2012)の併設セミナーとして、「JASAグローバルフォーラム2012」を開催しました。04_01
今年で3回目の開催で参加者も年々増加し、ET併設セミナーの定番として益々盛況なセミナーとなって参りました。
今回は、「必見!アジアのニーズは何か」をサブタイトルとし、今までオフショアの観点で捉える事が多かったアジアについて、輸出市場と見てどうかの観点でそのニーズや動向を、現地事情に詳しい方々にスピーチして頂くフォーラムとしました。
以下、講演者とその内容について簡単に紹介します。

~開会あいさつ~
TDIプロダクトソリューション(株)
代表取締役 廣田 豊 (JASA国際委員会委員長)
昨年までのこのセミナーは、日本から見たアウトソーシング先としての事例紹介が多かったが今年は少し趣向を変え、市場として、事業パートナーとしての中国、台湾、インドについての講演を頂くように企画検討いたしました。と挨拶がありました。

1.「大連について中国ビジネスの商機」
大連百易軟件(株) 日本第三事業部 副総裁 蘇 鋒 氏
さまざまな統計データを示しながら、急速に発展している大連の産業の実態について紹介して頂きました。大連は特に日本との関係が深く、輸出の7割は日本であり、日本語を話せる人の割合は中国都市の中でもトップ。また最近は、日本のソフト製品、パッケージを中国マーケットで販売・サービスしようと取組む企業が増えており、今が中日ITサービス協業のチャンスであると強調され、その成功へのカギについて貴重なお話を頂きました。

2.「中国安徽省における組込み産業概況のご紹介」
安徽省サービスアウトソーシング協会
安徽省ソフトリーグアウトソーシングサービス有限公司
上海事務所 所長 何 斌 (カ ヒン) 氏
上海から内陸へ400キロの安徽省は、自動車やその関連部品、白物家電などの製造業中心に今まで発展してきましたが、これからは組込みソフト開発などの研究開発が発展すると期待されますとのお話し。中国の中で北京に次ぐ教育基地であり教育レベルが高く人材資源が豊富な事、政府の支援が強力な事などがその理由で、今後のポテンシャルとしてはとても期待できるようです。

3.「鴻海、その原動力と行き先」
台北科技市場研究 代表 大槻 智洋 氏
ODMの世界的企業に発展した鴻海(ホンハイ)について、「なぜ強いか」についてのお話しでした。低価格で受注競争に勝ち抜いた後、商品企画後のすべての工程を引き受けて製造業務のブラックボックス化をはかり、コストダウンの自由度を増して利益を上げるしたたかな手法が、ポイントと説明されました。さらには創業経営者のコスト・スピード意識、果敢な投資、金型加工の強み、台湾の地の利、意思決定の速い組織体系、等々、「強い理由」について様々な角度からお話がありました。

4.「台湾のICT産業のチャレンジと戦略的方針」
Challenges and Strategic Directions of the ICT Industries inTaiwan/
工業技術研究院(Industria」TechnologyResearch Institute)情報通信研究所(ICL)
所長 Cheng-Wen Wu (呉 誠文) 氏
台湾のICT産業の歴史から始まり、現状についての様々な分析データを交えた紹介がありました。現在世界的に需要の高いスマートフォン、タブレットPC、タッチパネル、クラウドサービスなどの分野において、そのサプライチェーンを分析すると、かなりの部分が台湾に依存している事が説明されました。さらに、今後の台湾の競争力を高めるために必要な事の一つとして、日本とのコラボレーションにある事を強調されていました。

5.「インドアウトソーシング産業の強みを分析する」
(株)エイチシーエル・ジャパン 顧問 永島 晃 氏
コストカット目的と考えられていたインドのアウトソーシング企業は、いまや欧米企業のそれぞれの顧客ドメインの高度な理解者、経験者としての変革パートナーへと変貌しようとしているとのお話し。一方日本の組込み関連産業は、開発費の0.5%程度を海外アウトソーシング企業に委託する鎖国的状態続けてきた。グローバル化の流れの中で、日本が競争力を高め変革するためには、インドアウトソーシング産業の活用にもっと注目すべきと語られました。

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フォーラム終了後、講演者の方々と国際委員会メンバーとの懇談の機会がありましたが、その場では、昨今の日中関係の問題が話題となり、特に中国の方は心配しておられる事がよくわかりました。政府間でなんとかしてだけでなく日中両国の我々のような民間人が、お互いに役立つビジネスを生み出すべく、積極的に交流し民間人同士の心をつなぐ事が大切で、そのためにも今回のようなフォーラムは大変有意義と、改めて強く認識し合いました。