JASA国際だより


第6回「JASAグローバルフォーラム2015」開催報告

~「人材活用と採用」をテーマに、中国・東南アジアの現状を知る~

Horiuchi
執筆者
パナソニック人材開発カンパニー
堀内俊文

2015年11月19日(木)ET2015の併催セミナーとして、「第6回JASAグローバルフォーラム2015」が、パシフィコ横浜にて開催されました。
今回は、「人材活用と採用」をテーマに、中国、ベトナムなど成長著しいアジア諸国とのビジネス展開について事例を交え紹介して頂きました。以下に、講演者とご講演の概要を報告します。

【開催の挨拶】  「人材活用と採用」
廣田委員長(挨拶)

JASA国際委員会 委員長 廣田 豊

・IT人材の不足感が、リーマンショック以前の水準に戻ったという状況の中、IT人材を確保する糸口として外国人、特に中国人、韓国人、東南アジア人の技術者採用が、近年増加している。ただ、採用する側の不安材料として、コミュニケーション、日本の商習慣、生活環境、キャリアモデルの構築、将来性等、外国人ならではの課題が多くあげられるのも事実である。
・そこで、今回のフォーラムでは、「人材活用と採用」をテーマに、講演者として、JETRO,HIDAから、さらに中国、ベトナム、ミャンマーの事情に精通した、計5人の方にご講演いただく。
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~講演~

1.【基調講演】 「多様性のアジアとビジネスチャンス」
池部氏(GF2015)
池部 亮 様/独立行政法人日本貿易振興機構 海外調査部 アジア大洋州課 課長

・東南アジアの専門家として、中国、ベトナムでの現地駐在の体験をもとに、お話しをいただいた。
・日本企業は現在チャイナリスクを避けて、東南アジアに展開しているが、やはりセンチメントの低下はあるもののいずれまた中国に戻ってくるのではないか。チャイナリスクを避けて他国に展開すれば、その国での新たなリスクについても、充分注意する必要がある。
・宗教観、家族観等が、その国の民族の職業観を支配しており、単純に生産性のみの追及ではなく、その視点を日本人はもたなければならない。
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2.【団体紹介】 「企業が有効活用できるHIDAの主な事業紹介」
渡辺氏(GF2015)
渡辺 智恵 様/一般財団法人海外産業人材育成協会 研修業務部 低炭素化支援グループ長補佐

2012年にAOTSとJODCが統合し人材育成機関として発足した、HIDA(ハイダ)の事業のご紹介をいただいた。
・HIDAでは、企業ニーズに応じた様々な支援ツール(制度)を準備しており、国庫補助もあるので、有効に活用いただきたい。
・現地人材育成サービス、日本の若手社員のグローバル化育成サービスや新興国展開支援サービスなどがあるので、気軽に相談してほしい。
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3.【中国事情】 「日中連携で中国IT人材の育成と活用」
周氏(GF2015)
周 密 様/成都ウィナーソフト株式会社 総裁兼CEO

日本の大学を修了、日本企業勤務を経て起業され、中国の成都と日本とでIT事業を展開されているご経験から「中国IT人材活用の現状、課題、展望」についてお話をいただいた。
・中国国内のIT事情は、11月11日の報道にもあったように、eコマース、ゲーム市場は進んでいるが、産業との連携でのIT活用で、まだまだ伸びしろがある。
・大連では、日本による人材の乱獲によって人材ピラミッドが崩れ、産業構造がだめになったと感じている。
・中国人は、IT技術者の社会的ステータス、賃金格差、キャリアパス不明、最先端の技術に触れるチャンスが少ない、上流工程の仕事に参加できるチャンスが少ない等の理由で、日本への就職をためらう傾向が強い。
・持続可能な中国人材活用は、日中両国企業の責任であり、日本企業は外国人材の活用の準備がまだまだできていないように思う。
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4.【ベトナム事情】  「海外技術者(ベトナム)との協働(パートナーシップ)について 」
横浜市(GF2015)

横浜 和敏 氏/株式会社 シントーク(国際委員会 委員)

最近10年間、メーカのソフトウェア開発のベトナムオフショア推進やベトナムオフショア会社の日本支社をご担当のご経験からベトナム技術者の育成について、お話いただいた。
・この10年に渡る日本とベトナムのパートーシップの経験から、相互信頼関係の構築がいかに重要かを痛感した。
・具体的な会社での事例から、海外技術者の活用には、パートナーとして付き合う、最低10年の時間をかける、個人の尊重、家族の協力、感謝の気持ちを伝える、など共に成長するように心がけることが大切である。
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5.【ミャンマー事情】   「ミャンマー人バイリンガルIT技術者の育成と、日本企業の国際化の支援」
岩永氏(GF2015)

岩永 智之 様/グローバルイノベーションコンサルティング株式会社 代表取締役社長

外資系企業にご勤務後、海外進出の企画コンサルティングから、会社設立後の運用・保守まで、ワンストップソリューション提供会社を設立されたご経験から、お話しいただきました。
・外国人のバイリンガルIT技術者の育成が必要であり、そのIT技術者としては、数学・物理の能力(論理的思考)が日本語能力より大切である。
・外国人技術者の就労意識を理解するうえで、宗教観、民族性、家庭環境、平均寿命等が重要であると思う。
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~パネルディスカッション~

会場の皆さまに、フォーラム中に書いて頂いた質問票をもとに、モデレーターの廣田委員長とご講演者5名のかたで、パネル形式で討論した。

(質問1)日本にもっと興味を持ってもらう方法としてはどんなことが考えられるか?
(質問2)外国人勤務者は、平均何年くらいで会社を辞めていくものなのか?
(質問3)外国人を採用する場合、1か国で複数名採用するのがよいか、複数の国から採用する方がよいか?

   パネルディスカッション(GF2015)講演風景(GF2015)

今回は多彩な講演者をお迎えすることができ、各国の事情を踏まえ、「人材活用と採用」について有意義なお話を聞けたと思います。
また、パネルディスカッションが、ご講演内容の理解を深めるうえで役立ちました。
最後になりましたが、ご講演者、会場の皆様、その他ご協力を頂いただいた皆様に感謝いたします。
国際委員会では今回の反省を踏まえ、来年にむけ活動をさらに活発化させていきますので、どうぞよろしくお願い致します。